白血病発症、DNA領域の一部が鍵に 東北大などが解明
特定の染色体異常が引き起こす急性骨髄性白血病について、DNAの領域の一部が、原因となる遺伝子の出現を活性化させている仕組みを東北大などの研究チームが解明し、4日付の米科学誌キャンサーセル電子版に発表した。研究者らは「白血病の新たな治療法の確立につながる可能性がある」と話している。
東北大大学院医学系研究科の山本雅之教授や鈴木未来子講師らの研究チームは、特定の染色体異常を再現したDNAの断片を作製。作ったDNAをマウスの受精卵に注入し、生まれてきたマウスが白血病を発症することを実証した。
このマウスを使った実験により、DNAの領域の一部「GATA2遺伝子エンハンサー」が、急性骨髄性白血病の発症の原因となる遺伝子の出現を活性化させていることを突き止めた。
実験では、同じ特定の染色体異常があるマウスのうち、GATA2遺伝子エンハンサーを欠損させたグループと、欠損させていないグループで生存率を比較した。
生後300日で、欠損させた全てのマウスが生きていたのに対し、欠損させていないマウスの半数近くは白血病を発症して死んだ。
(河北新報より)