一日の終わりにふくらはぎがむくんでブーツがきつくなった、という経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
ふくらはぎが特にむくみやすいのには、どのような原因があるのでしょうか。
ふくらはぎと“むくみ”の関係
心臓から送り出された血液は細胞に酸素や栄養分を届け終えると、今度は二酸化炭素や老廃物、余分な水分などを回収しながら静脈やリンパ管を通って心臓に戻ってきます。
このとき、足に流れた血液は重力に逆らうことになるため、ふくらはぎの筋肉がポンプの役割を果たして血液の循環を手助けします。人間の下半身には70%もの血液が集まっており、この血液を心臓に戻すよう働いているので、ふくらはぎは「第二の心臓」ともいわれているのです。そのポンプの働きをするためには筋肉の伸び縮みが必要になります。
ふくらはぎがむくむ原因はいくつかありますが、一過性のものと、血管の病気などによる危険なサインの可能性があります。
ふくらはぎがむくむ原因〈一過性のもの〉
慢性的でないむくみの場合、次のような原因が考えられます。
(1)長時間にわたって同じ姿勢でいる
ずっと同じ姿勢の状態でいると、ふくらはぎの筋肉の働きが少なくなります。筋肉の収縮によって作用するポンプ機能がうまく働かずに、血液やリンパの流れが滞ってしまいます。
(2)筋力の低下
運動不足によってふくらはぎの筋力が衰えると、ポンプ機能が低下して余分な水分を心臓へ送り戻すことができません。
(3)冷え性
手先や足先だけが冷たく感じるのが、冷え性です。
これは血行不良によるもので、足先の毛細血管まで血液がうまく循環できないために起こり、むくみを引き起こします。
(4)塩分過多
塩分には水分を抱え込む性質があり、体内に過剰な量を取り込むと余分な水分をうまく排出できなくなります。
ふくらはぎがむくむ原因〈病気の可能性があるもの〉
普段と変わらない生活で突然むくみが生じたり、1週間以上むくみが消えないような場合は、血管や内臓の病気が原因の可能性があります。
できるだけ早めに内科などの専門医に相談しましょう。
(1)下肢静脈瘤
静脈にある血液の逆流を防ぐための静脈弁が壊れて、逆流した血液が足に溜まってしまう病気が原因のことがあります。
(2)心臓障害
心臓がポンプの役割を正常に果たせないことで血行が悪くなり、むくみを引き起こします。
(3)肝臓や腎臓の障害
血管に水分を取り込んだり排出する浸透圧を調整するアルブミンという成分は、タンパク質を素にして肝臓で合成され、腎臓でろ過されています。
肝臓や腎臓に何らかの障害が発生しているとアルブミンの量が減少し、水分がうまく血管に戻れなくなって、むくみの原因になります。
ふくらはぎを“むくみ”から解放する方法
ふくらはぎのむくみを解消するには、筋肉を鍛えてポンプ機能を働かせてあげることが重要です。むくんでしまった場合には、血流を促進することが有効となります。
(1)マッサージ
ふくらはぎに溜まった余分な水分をスムーズに流すために、ふくらはぎのマッサージは高い効果が期待できます。
入浴後の血流が良くなっているタイミングに行うのがオススメです。
(2)ストレッチ
ふくらはぎにある腓腹筋(ひふくきん)とヒラメ筋という2つの筋肉をほぐすことで血行を促進し、むくみを解消する効果が期待できます。
常日頃からスムーズな血流を促すことにより改善が可能なのが、ふくらはぎのむくみ。ご自分のむくみの原因を探って、スッキリとしたふくらはぎを目指しましょう。